【7月27日 AFP】女子テニス、四大大会(グランドスラム)で通算5度の優勝を誇るマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)が26日、ドーピング違反による出場停止期間の15か月は、テニスへの情熱をかき立てられる日々だったと話した。

 元世界ランク1位のシャラポワは、来週開幕するバンク・オブ・ザ・ウエスト・クラシック(Bank of the West Classic 2017)で出場停止処分が明けてから初めて、米国でのWTAツアーに復帰する。

 ザ・プレイヤーズ・トリビューン(The Players' Tribune)に寄稿したシャラポワは、出場停止期間が明けた4月から経験しているジェットコースターのような感情の起伏について語った。

「この2年間は思っていた以上にタフな毎日だったけれど、テニスへの情熱が揺らいだことは一度もなかった。それどころか思いはより強くなったわ」

 バンク・オブ・ザ・ウエスト・クラシックの主催者からワイルドカード(主催者推薦)を受け、同大会に6年ぶりに参戦するシャラポワのもとには、復帰以来その他の大会からも主催者推薦が届いているが、周囲の選手からは優遇されて大会に出場するのではなく、一から復活の道をたどるべきだとして批判を浴びている。

 昨年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)で、長年使用していた血流を増加させる禁止薬物のメルドニウム(Meldonium)に陽性反応を示したシャラポワは、2016年から同薬が禁止薬物のリストに追加されていたことを確認していなかったと主張した。

 シャラポワには当初2年間の出場停止処分が科されたが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は異議申し立てを一部認めて処分を軽減している。

「多くの仲間が私のことをどう言っているのかは分かっているし、その中にはメディアで批判している人がいるのも認識している。もしあなたが心臓の動いているまともな人間であれば、そういった発言を完全に見過ごすことはできないと思うわ」

 一方、ファンの愛情が支えだったと話したシャラポワは、ツアー復帰を果たしたポルシェ・テニス・グランプリ(Porsche Tennis Grand Prix 2017)で掲げられた「おかえり、マリア」のメッセージに感動したという。

 復帰後は負傷に悩まされているシャラポワだが、米国でのハードコートシーズンへ向けて期待に胸を膨らませている。

 今週はカリフォルニア(California)州オレンジ郡(Orange County)で開催されているワールドチームテニス(Mylan WTT 2017)に参加しているシャラポワは、続いてバンク・オブ・ザ・ウエスト・クラシック、カナダ・トロント(Toronto)で開催されるロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2017)に出場する。

「私に批判的な人もたくさん試合に出るし、たくさんのファンも来てくれると思う。でも極端な話、私の知るところではないわ。テニスに限ってはいいプレーか、悪いプレーかしかない。私が唯一言えるのは、テニスがなくて寂しかったということよ」(c)AFP