【7月28日 AFP】長年西欧スタイルの二番手に甘んじていたが、エクアドルでは今、伝統衣装を捉え直す新世代のデザイナーたちの登場で、先住民ファッションが再び脚光を浴びている。

「素早くターンして!」。ケチュア語で「プリンスとクイーン」を意味するモデル事務所「Awkis y Nustas」創設者のフアナ・チカイザ(Juana Chicaiza)は声高に言った。彼女は若いモデルたちに、アンデスの伝統的なスカート、アナコをランウェイで一番良く見せる方法を教えていた。

 長い黒髪を持つ、元美人コンテスト優勝者のチカイザは、プルハ(Puruha)と呼ばれる先住民の一人だ。彼女の伝統的な身なりはコンテストで失笑された。この経験により32歳の彼女は、ランウェイにおいてプルハの「アイデンティティーを周知」させるためにも、自身の事務所を2013年にオープンさせた。今やランウェイでは、モデルたちが「西欧と先祖代々」のものをミックスした服で闊歩している。

 ラテンアメリカの事務所は一般的に、モデルたちに砂時計型のプロポーションと美しい容貌を求めるとデザイナーでもあるチカイザはAFPの取材に答えた。「我々はそれを求めてはいない。個性を持つ女性を求めているのです」と彼女は語る。

 エクアドルの先住民を代表する団体によると、エクアドルにおける先住民は人口1650万人のうち、30パーセントを占める。だが多くの住人は、自分が先住民と認識しておらず、国勢調査ではたったの7パーセントであるとされている。チカイザのように、ファッションデザイナーたちも、人々にその伝統に誇りを取り戻す活動をしている。