【7月31日 CNS】中国国内で最速の懸垂式モノレール列車が20日、中国中車青島四方機車車輛(CRRC Qingdao Sifang、中車四方)で完成し、すでに試運転段階に入っている。特に登坂能力に優れ、一般的な地下鉄に比べ3倍以上という。

 この懸垂式のモノレール列車は別名「空中列車」とも呼ばれ、軽量、中速、中運量、低コスト化をはかった新しい公共交通方式だ。中車四方が研究開発したこの列車は、同社が完全な知的財産権を所有する。高速鉄道の技術を一部応用し、運用の安全性と乗り心地の快適さを向上させた。観光地や山間部、都市などで運用する計画で、市場での大きな潜在能力を持っている。

 搭載可能な乗客数は、3~5両の連結車両で300~510人近く。最高速度は時速70キロで、地下鉄に匹敵する国内最速クラスの空中列車だ。

 この列車は、雨や雪などの悪天候の影響を受けにくく、脱線などによる危険性も無い。ヨーロッパで最も審査が難しいと言われる「BS6853I」クラスの安全基準を採用。全車モニタリングシステム、非常用蓄電池自動安全装置やけが人に対する緊急救援装置などが配備されていて、乗客を危険な状況から守る。

 地下鉄と比べ、懸垂式モノレール列車の製造コストは低く、短期間で製造できるメリットもある。工場で仮組み、現場で本組みを行うことで、現場での施工時間も短縮でき、現場付近の交通に対する影響も少ない。また、レールの軌道曲線の半径が小さく地面の占用スペースも小さいので、撤去作業時のコストも抑えられ、地下鉄の3分の1程度にコストを削減できる。交差する道路を通過する車両や路面電車などの進行を妨げる事もないので、安全、定刻、乗客搭載能力などのメリットがある。

 モノレール列車はまた、「都市のヘリコプター」とも呼ばれている。列車の底部は地上から5メートル以上離れ、最高で数10メートルまで離れるため、地形による変化で交通状況に影響を及ぼすこともない。都市の高架橋と連動させることで、空中スペースの利用効率も向上するだろう。(c)CNS/JCM/AFPBB News