【7月26日 AFP】先見的な起業家として知られるイーロン・マスク(Elon Musk)氏と、世界最大の交流サイトである米フェイスブック(Facebook)を率いるマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)最高経営責任者(CEO)が今週、人工知能(AI)をめぐりソーシャルメディア上で舌戦を交わした。テクノロジー界のスター同士による議論は個人批判に発展している。

 ザッカーバーグ氏は23日、フェイスブック上でライブ動画配信を行った際、視聴者からの質問に答えて「特にAIについては、本当に楽観している」と発言。その上で「否定論者で、悲惨な未来像をことさら強調しようとする人たちのことは……たんに理解できない。本当に後ろ向きだし、ある意味すごく無責任だとも思う」と批判した。

 これに反発したのが電気自動車(EV)大手の米テスラ(Tesla)や宇宙開発企業「スペースX(SpaceX)」を創業したマスク氏。25日、ツイッター(Twitter)でザッカーバーグ氏のコメントについて尋ねられ、AIについて同氏と議論がしたことがあるが「彼の理解は乏しかった」とこき下ろした。

 技術の発展によって、ロボットや自動運転車のような知能を備えた機械を生み出せるようになることは、人類にとって恩恵なのか、それとも災いなのか──。両者の応酬は、テクノロジー界でもこの点に関して見解の違いがあることを浮き彫りにした格好だ。

 マスク氏は以前から、機械があまりにも賢くなると、人類が機械のペットのような存在になってしまう恐れがあると警鐘を鳴らしてきた。一方のザッカーバーグ氏は、人間の生活を向上させるAIの力をほめそやしてきた経緯がある。

 フェイスブックのAIへの投資額は米シリコンバレー(Silicon Valley)の企業でもトップクラスに入る。(c)AFP