【7月22日 AFP】米人気ハードロックバンド、リンキン・パーク(Linkin Park)のボーカル、チェスター・ベニントン(Chester Bennington)さん(41)が自殺した20日は、5月に同じく自殺した親友で人気グランジロック歌手だったクリス・コーネル(Chris Cornell)さんの誕生日に当たり、共に薬物依存やうつ病と闘っていた2人の結び付きを改めてうかがわせた。

 ベニントンさんの遺体は20日、米ロサンゼルス(Los Angeles)にある自宅の寝室のドアにベルトを掛け、首をつった状態で見つかった。検視局は21日、自殺と断定している。遺書は残されていなかったが、スタッフが20日に同宅を訪れた際、部屋には半分空になった酒瓶があったという。

 多くのファンは訃報にショックを受けた後、ソーシャルメディアで、20日はコーネルさんが生きていれば53回目の誕生日だったことを指摘した。5月にやはり首をつって亡くなったコーネルさんもベニントンさん同様、薬物やアルコール問題との闘いの人生を送った。

 ベニントンさんは一緒にツアーをしたこともあるコーネルさんの葬儀で、カナダのシンガー・ソングライター、レナード・コーエン(Leonard Cohen)の名曲「ハレルヤ(Hallelujah)」を歌った。

 リンキン・パークのギタリスト、マイク・シノダ(Mike Shinoda)さんは、コーネルさんの死去から間もない頃のインタビューで、ベニントンさんが受けたショックはあまりに大きく、コンサート前のサウンドチェックの間も取り乱すほどだったと語っていた。シノダさんは「Radio.com」に対し、「チェスターは1曲、通して歌うことさえできなかった。半分歌ったところで、声を詰まらせてしまうんだ」と述べている。

 ベニントンさんはコーネルさんの死後、「みんなには分からないだろうが、僕は本当に多くの意味で彼にインスパイアされた」と語っていた。(c)AFP/Shaun TANDON