【7月24日 MODE PRESS WATCH】着物生地を用いたニューヨーク発のファッションブランド「ヒロミ・アサイ(HIROMI ASAI)」は、米・ニューヨークのジャビッツ・センターで開催されるカプセル・ショーに2018年春夏メンズコレクションを出展した。

 同ブランドは、在米のファッションデザイナー・着物スタイリストの浅井広海(Hiromi Asai) が、着物を世界のフォーマルウェアにすることを目指して展開。着物をつくる職人の伝統技術を次世代に引き継ぎたいという思いから、着物の本質を形状ではなく、素材・生地に求めている点が特徴だ。全国の職人達と新たな洋装用の生地を共同開発し、日本の染織物を用いたウェアを創作している。

 2015年夏に、米国のクラウドファンディングにて世界中からの出資を得て、2016年2月のニューヨークコレクションに出展。クラウドファンディングで実現したニューヨークコレクション公式出展は史上初であり、着物ランウェイショーとして話題を集めた。今年1月と6月にはイタリア・フィレンツェで開催された世界最大級の紳士服展示会ピッティ・ウオモでコレクションを発表、大きな反響を得ている。

 若手の登竜門と称される今回のカプセル・ショーでは、“真夏の夜の薔薇”をテーマに展開。欧米のヴィンテージスタイルのディテールを取り入れたニューヨークスタイルと伝統的な着物をつくる染め織りの技術により産み出された生地との融合を目指す。ジャケットを中心に、スーツ、ワイシャツ、パンツと多彩なアイテムを揃える。丹後を中心に、新潟五泉・小千谷、石川、滋賀、奄美など多くの産地の染め・織り職人達と開発した生地を使用した。ハイライトは紺色のナイトジャケット「薔薇」とグレーのピクニックジャケット。ナイトジャケットには表地に紺色の薔薇、裏地に黒い薔薇が織り出され、真夏の夜の透き通った薔薇の園のように見えるという仕掛けだ。女性デザイナーの感性が息づく新たな着物の世界観に、引き続き注目して!

■関連情報
・ヒロミ・アサイ 公式HP:www.hiromiasainy.com
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