■初の大航海

 2015年に行われた発掘の最下層からは約1万1000点に上る人工物が見つかった。研究チームは、人工物が見つかった堆積物の年代と確実にマッチングさせるために、人工物ひとつひとつの位置を注意深く調査した。

 研究チームによると、鉱物粒子が最後に日光にさらされた時期を推定する光ルミネッセンス(OSL)法による広範囲の年代測定の結果、下層ほど年代が古くなる一般的傾向が示されるとともに、これまでよりはるかに高精度の年代構成が得られたという。

 Madjedbebe遺跡の最新の推定年代は、現生人類が6万年~8万年前にアフリカを出たことを示す遺伝子分析結果とぴたりと符合する。

 当時は現在に比べて海水位がはるかに低く、東南アジアの島々から豪州に至るまでの航海距離も今より短かった。「これは人類による史上初の大航海となったと考えられる」と、クラークソン氏はコメントしている。(c)AFP/Martin PARRY