【7月18日 AFP】米共和党が上院で成立を目指している医療保険制度改革(通称オバマケア、Obamacare)の代替法案について、新たに共和党議員2人が17日、反対する意向を表明した。これにより共和党の票は過半数を割る見通しで、法案成立は困難な状況となり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に対する大きな打撃となる可能性も出てきた。

 今回、代替法案に反対する姿勢を示したのは、マイク・リー(Mike Lee)議員とジェリー・モラン(Jerry Moran)議員。先週すでにスーザン・コリンズ(Susan Collins)議員とランド・ポール(Rand Paul)議員が代替法案に反対を表明している。上院(定数100)で共和党が占める議席は52議席。

 地元カンザス(Kansas)州で代替法案に対する猛烈な反対意見が寄せられているというモラン議員は、声明で「悪い政策を承認するべきではない」との考えを示し、同案は医療保険制度改革法(Affordable Care Act)の廃止につながらず、医療費の高騰にも対処できていないと指摘した。

 上院共和党トップのミッチ・マコネル(Mitch McConnell)院内総務が代替法案の内容を大幅に変えて議員4人の説得に動かない限り採決の機会すら与えられないが、マコネル氏は自身の努力が報われなかったことについて「遺憾に思う」と表明したものの、法案成立は諦めていないと強調した。

 また匿名を条件に取材に応じたホワイトハウス(White House)の関係者は、「何もしないという選択肢はない」と述べ、「オバマケアの悪夢を終わらせるため、トランプ大統領が署名可能な法案作りに議会が取り組み続けるものと期待している」と語った。

 共和党指導部は民主党・バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領の看板政策として導入されたオバマケアの撤回を最大の目標と掲げ、主要政策として推し進めてきたが、党内の造反により代替法案の成立に暗雲が立ち込めている。(c)AFP/Michael Mathes