【7月18日 AFP】(更新)イタリア・セリエA、ASローマ(AS Roma)を退団したフランチェスコ・トッティ(Francesco Totti、40)が17日、引退を表明し、同クラブのディレクター職への就任を発表した。

 トッティは今年5月の試合を最後に、24年間にわたり在籍したローマを退団。日本や米国に移籍する可能性も報じられていたが、最終的に引退を決めた。

 トッティはフェイスブック(Facebook)の自身のページに「サッカー選手として過ごした人生の第一幕が終わった。そして今、より重要な別の一幕が始まろうとしている」と投稿。

 さらに「5月28日まではサッカーをすること、楽しむこと、チームに重要な貢献をすることだけを考えていた。ここで先に進み、新たなスタートを切る」と表明した。

 ユース時代の1989年に加入したローマで合計786試合に出場したトッティは、クラブ歴代1位の307得点を記録したほか、イタリア代表として出場した2006年のW杯ドイツ大会では母国の優勝に貢献した。

 トッティは、自身との契約延長を拒否したと伝えられ、エウゼビオ・ディ・フランチェスコ(Eusebio Di Francesco)氏を次期監督に招へいしたスポーツディレクター(SD)のモンチ(Monchi)氏とともに仕事をすることになる。

「25年以上もローマでプレーした。このピッチでたくさんの恩恵を受けてきた自分は、毎日たくさんの愛情を示してくれた人たちに、たくさんの恩返しをしていきたい」

「新たな段階、冒険、そしてスタートの手始めとして、自分はどのような役割でも引き受けたいし、ローマ(Rome)の街にとってもクラブにとっても欠かせない存在となり、これから何をすべきか深く理解していきたい」

 Jリーグ2部(J2)の東京ヴェルディ(Tokyo Verdy)への移籍が間近だったトッティだが、地元メディアが17日に伝えた報道によると、極東の地へ赴くことについて妻の了解を得られなかったため、交渉は破談になったとされている。

 イタリア代表として合計58試合に出場しているトッティはまた、2016-17シーズンの終盤に、代表の元チームメートであるアレッサンドロ・ネスタ(Alessandro Nesta)氏が監督を務める米2部リーグのマイアミFC(Miami FC)への移籍もうわさされていた。

 しかし、ローマが2001年のスクデット以来となるセリエAのタイトル獲得を目指しているなか、トッティは本拠地スタディオ・オリンピコ(Stadio Olimpico)にとどまる気持ちが強いことを示した。

「チームは振り出しからのスタートだ。自分は時間をかけて一歩ずつ、冷静かつ賢明なやり方でどんな役目がよりふさわしいのか見極めていく必要がある」

「こうした理由で、自分はユース選手からジェームズ・パロッタ(James Pallotta)会長に至るまで、クラブが360度の角度から自由に使える存在になっていくつもりだ」

 昨年9月に記録したキャリア250得点目がセリエAでの最後のゴールとなったトッティは、ローマで2度のイタリア杯(Italian Cup)制覇を経験し、2007年には得点王を獲得。最優秀選手に2度選出されたこともある。

 クラブ歴代1位の試合出場を誇るトッティの現役引退によって、ローマは一つの時代の終わりを迎えている。(c)AFP