【7月17日 CNS】ポーランドで開催された国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)第41回ユネスコ世界遺産委員会での投票の結果、中国・青海省(Qinghai)のココシリ(Hoh Xil)が世界自然遺産に登録されることが決まった。

 ココシリと共に登録申請していた、福建省(Fujian)のコロンス島(Gulangyu)も世界文化遺産に決定した。

 世界で最も海抜が高く、世界で最も線路が長い高原鉄道「青蔵鉄道(Qinghai-Tibet Railway)」は2006年7月、全線開通した。「鋼鉄の龍」(鉄道のこと)はココシリ、三江源(長江、 Yangtze River)、黄河(Yellow River)、瀾滄江(Lancang river)の源流地、チャンタン草原を通り、雪と氷に覆われ、雪蓮花(サウスレア・インボルクラタ)が咲き誇る高原の奥、聖地・チベット(Tibet)まで繋がっている。青蔵鉄道ココシリ駅はココシリ保護区の東側、三江源自然保護区の西側に位置しており、野生動物観賞区は駅から2キロ離れた場所にある。

 青蔵鉄道は2007年7月、中国の鉄道建設プロジェクト史上初めて、環境保護監督・管理制度を導入し、効果的な環境保護モデルの実施に成功している。沿線に生息している野生動物の保護や、高山植生、湿地生態系、永久凍土の環境、三江源の水質と線路両側の自然景観などに関し、建設プロジェクトと環境保護を両立させている。

 今回申請していた地区の総面積は6万平方キロメートルで、世界自然遺産に登録が決まった面積は、中心部の3万7000平方キロメートル。外側の2万3000平方キロメートル部分は保留となったが、ココシリ保護区全域と三江源国家級自然保護区の一部分が含まれた形となった。

 チベット語で「崑崙(Kunlun)雪山の地」や「千の湖の地」を意味するココシリ。国家級自然保護区は青海省西北部に位置しており、平均海抜は4500メートル超。保護区内にはチベットカモシカ、ヤク、チベットノロバなど野生の希少動物が生息している。統計によると、保護区内には大小7000余りの湖と、255本の古い氷河がある。

 ココシリは、徐々に野生動物の楽園の姿を回復してきている。崑崙山(Kunlun Mountains)から保護区へ向かう道中でも、道路脇で野生動物を見かけることができる。

 チベット高原(Tibetan Plateau)の西北部に位置し、タンラ山(Tanggula Mountains)と崑崙山に挟まれた8万3000平方キロメートルに及び、長江の主な水源地区のひとつでもある。ココシリ無人地帯は世界で3番目、国内最大の無人地帯で、原始の状態で自然が残された最後の地である。氷河や氷河の淵、流水や湖、風といった自然の力が作用した地形は神秘的で特に美しい。(c)CNS/JCM/AFPBB News