【7月17日 CNS】ポーランドのクラクフ(Krakau)で開催されていた国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の第41回世界遺産委員会で、青海省(Qinghai)ココシリ(Hoh Xil)自然保護区に続き、アモイ市(Xiamen)のコロンス島(Kulangsu)も「歴史的な国際コミュニティー地区」であるとして世界文化遺産の仲間入りを果たした。世界遺産登録まで、申請から9年の歳月を要した。

 これにより、中国はイタリアと並び、世界で最も多い52か所の世界文化遺産を擁する国となった。

 コロンス島は多様な文化が入り交じった代表的な島であり、さまざまな文化がぶつかり合い融合したことで、国際的なコミュニティーを生み出した。これは近年の中国においても非常に珍しいケースである。アモイの文化や旅行業に長年携わってきた文化学者の彭一万(Peng Yiwan)氏はそう述べた。

 コロンス島には、500メートル近い鷺江(Lujiang)が町の間を流れ、総面積は188万平方メートル。別名「海上のフラワーガーデン」とも呼ばれている。

 1840年のアヘン戦争後、アモイは徐々に通商港としての開放を迫られ、コロンス島はヨーロッパ人の居留地となった。その後相次いで10近い国の領事館などが建てられたことによって、豪商や華僑、文化エリートらが数多くこの島に集まってきた。

 清朝末期、租界行政管理執行機関として工部局を設立し、「多国籍の島民」らは共同で地区内のルールなどを作り上げた。こうしたことで、突出した多様な文化と近代生活水準をもつ国際コミュニュティーが同時に作り上げられていった。

 グローバル化、近代化のうねりがぶつかり合う清朝末期において、コロンス島は紆余(うよ)曲折を経て、多文化交流を早い段階で実現した手本であることが証明された。

 他国の影響を受けつつ古来の独自の文化を発展させたことが、世界文化遺産として評価された。(c)CNS/JCM/AFPBB News