【7月11日 AFP】世界ボクシング機構(WBO)は11日、マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao、フィリピン)が敗れた2日のウエルター級タイトルマッチについて再検証を行った結果、ジェフ・ホーン(Jeff Horn、オーストラリア)が勝者であることが明確になったと発表した。

 フィリピンのスポーツ規制当局を後ろ盾とするパッキャオがレフェリーとジャッジを非難し、見直しを要求したことを受け、WBOは当日の試合を再検証していた。

 ボクシングで前人未到の8階級制覇を遂げ、母国の伝説的存在であるパッキャオに対し、ホーンは超攻撃的なボクシングをみせ、12ラウンドの末に0-3の判定勝ちを収めた。

 WBOは不正や規則違反が証明されない限り判定を覆す権利を保有しておらず、今回の再検証では独立したジャッジパネルが、音が消された映像を見ながら各ラウンドの勝者を確認する作業を行った。

 採点表は各ラウンドの勝者が明確に分かるようになっており、5人中3人のジャッジが合意により、60パーセント、80パーセント、100パーセントで優勢の割合が決められた。WBOでは過去の試合でも同様の方法が用いられている。

 WBOは声明で、「分析の結果、パッキャオは第3、第8、第9ラウンドで100パーセント、第5ラウンドで80パーセント、そして第11ラウンドで60パーセントの優勢だった」とすると、「ホーンは第1、第6、第12ラウンドで100パーセント、第2、第4、第7ラウンドで80パーセント、そして第10ラウンドで60パーセントの優勢だった」と公表。「この結果、パッキャオは合計5ラウンド、ホーンは合計7ラウンドで優勢だった。この分析結果により、ジェフ・ホーンが試合の勝者と判明した」と述べた。

 ホーンはこの再検証の結果を歓迎し、豪ブリスベン(Brisbane)で試合することを条件に再戦に臨む用意があると話した。

 フィリピン当局とパッキャオは、米国人レフェリーのマーク・ネルソン(Mark Nelson)氏に対し、当日の試合で反則まがいの戦術をみせたホーンに警告や減点をしなかったと批判していた。

 この敗戦を受けて、貧困の子ども時代から国民のアイコンまでのし上がった38歳のパッキャオに対し、現役を引退して政治活動に専念することを求める声が上がっている。(c)AFP