【7月10日 AFP】ツール・ド・フランス(2017 Tour de France)は9日、第9ステージ(ナンテュアからシャンベリー、181.5キロメートル)が行われ、チームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)がマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を守る一方で、チームメートのゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)とBMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のリッチー・ポート(Richie Porte、オーストラリア)が落車でリタイアを余儀なくされた。

 キャノンデール・ドラパック(Cannondale Drapac Pro Cycling Team)のリゴベルト・ウラン(Rigoberto Uran、コロンビア)が優勝した今ステージで、ポートとトーマスは「衝撃的な」クラッシュに遭遇して病院に搬送された。

 特に深刻な状態に陥ったのはポートだった。ゴールまで25キロメートルを切り、同選手はモン・デュ・シャ(Mont du Chat)の下り坂を走っていた際に、カーブ内側の草むらで自転車を滑らせた。

 そして舗装道路を横滑りしたところにクイックステップ・フロアーズ(Quick Step Floors)のダニエル・マーティン(Daniel Martin、アイルランド)が突っ込み、両選手は道の反対側の岩壁に衝突。ポートは道路に倒れたまましばらく動けず、医療チームの治療を受けてから病院に運ばれた。

 BMCによると、ポートは鎖骨と骨盤を骨折しているものの転位はしておらず、手術の必要はなく全治4~6週間とみられている。一方、マーティンは衝撃を吸収して壊れたヘルメットに助けられ、このクラッシュで時間をロスしながらもトップから1分15秒遅れでフィニッシュした。

 この日は雨で危険が潜むレースとなり、ポートのクラッシュの前にトーマスも別の下り坂で落車して鎖骨を骨折。フルームは総合争いでリードを広げ、ライバル勢が遅れていく姿を目撃したものの、最も頼りになるサポーターのトーマスと友人のポートが棄権するほろ苦いステージとなった。

 フルームはポートの落車について、「ひどい。本当にひどいクラッシュだった。それに、チームメートも鎖骨を骨折してしまった」とコメント。さらにポートが落車する映像を見て、「とても見ていられない映像だ。目をそむけてしまうほどで、彼が良くなることを願っている」と話した。

 今ステージで3位に入ったフルームは、4秒のボーナスタイムを獲得して総合争いでリードを広げ、競技の上では良い一日となった。アスタナ(Astana Pro Team)のファビオ・アール(Fabio Aru、イタリア)が18秒差で同2位、アージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)のロマン・バルデ(Romain Bardet、フランス)が51秒差で同3位につけている。(c)AFP/Barnaby CHESTERMAN