【7月8日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は7日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に触発された武装勢力と治安部隊が戦っている南部ミンダナオ(Mindanao)島のマラウィ(Marawi)に近い軍の駐屯地を電撃訪問した。大統領府は、迷彩服を着て短機関銃を肩に掛けたドゥテルテ氏の写真や動画を公表した。

 ドゥテルテ氏はマラウィから約25キロの駐屯地を兵士や側近らと共に歩き、空路で戦闘地域まで行くことは悪天候のためにできなかったが、マラウィ周辺への訪問を戦闘が終わるまで待てなかったと語った。また今回の訪問で団結を示したかったとも述べた。

 ISの旗を掲げた武装勢力数百人がマラウィを攻撃してから6週間以上がたつ。軍の7日の発表によると、武装勢力はいまだ約1000棟の建物を占拠し、最大300人の民間人が捕らわれている。

 政府関係者によれば、戦闘によるこれまでの死者数は武装勢力353人、兵士と警官87人、民間人39人となっている。またマラウィと近郊の住民40万人近くが避難している。

 ドゥテルテ大統領は5月23日に戦闘が始まった数時間後、IS系組織の島への侵攻を止めるためとしてミンダナオ島に戒厳令を出している。(c)AFP