【7月7日 AFP】米歌手ケイティ・ペリー(Katy Perry)が、愛犬に「コアラを追い掛けよう」と呼び掛けるワールドツアーのプロモーションビデオ(PV)をめぐって、動物愛護活動家などから非難される騒ぎとなっている。

 問題とされたのは、来年行われるワールドツアー「Witness」のオーストラリア公演用PV。主催の豪百貨店最大手「マイヤー(Myer)」が制作したもので、マイヤーの宣伝や、公演チケット8000枚のプレゼントキャンペーンも紹介されている。

 このPVの中でペリーは、愛犬のプードル「ナゲット(Nugget)」に向かって「さあ、コアラを追い掛けに行きましょう」と呼び掛けていた。

 豪東海岸ではコアラが絶滅の危機にひんしているが、生息地の消失や自動車事故と並び、犬による襲撃が生息数減少の三大原因となっている。

 野生動物が専門の獣医師クレア・マッデン(Claire Madden)氏は、豪クイーンズランド(Queensland)州の地元紙クーリエメール(Courier-Mail)の取材に、「ペリーとマイヤーがまるで無知なことを示しており、非常に多くの点で不適切だ」と指摘。「ペリーは多くの若者の手本となるべき人なのに、コアラに飼い犬を近づけないよう呼び掛けてきたわれわれの活動を何もかも台無しにした」と非難した。

 ソーシャルメディア上ではマイヤーに対する批判も殺到している。フェイスブック(Facebook)には、「どうしてこれが大丈夫だと思えるんだ? 救いようがない。動物虐待はジョークでは済まない」との投稿もあった。

 マイヤーの広報担当者はAFPに、反発を受けてコアラに言及した部分をPVから削除したと述べた。問題となったせりふは「さあ、ナゲット。子犬用パスポートを取りに行く時間よ」に差し替えられたという。(c)AFP