【7月7日 AFP】ツール・ド・フランス(2017 Tour de France)は6日、第6ステージ(ヴズールからトロワ、216キロメートル)が行われ、クイックステップ・フロアーズ(Quick Step Floors)のマルセル・キッテル(Marcel Kittel、ドイツ)が最後のスプリントを制し、今大会2度目のステージ優勝を果たした。

 ツールで通算11度目のステージ優勝を飾ったキッテルは、2日の第2ステージ制覇後と同じように、この日も涙をこらえることはできなかった。2位にはFDJのアルノー・デマール(Arnaud Demare、フランス)が、3位にはロット・ソウダル(Lotto Soudal)のアンドレ・グライペル(Andre Greipel、ドイツ)が入り、チームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)はマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を守っている。

 ここ2日間と同様に、最後は集団スプリントとなったが、今ステージでクラッシュはなかった。4日の第4ステージでは、ボーラ・ハンスグローエ(Bora Hansgrohe)のペーター・サガン(Peter Sagan、スロバキア)が肘を突き出してディメンション・データ(Dimension Data)のマーク・カヴェンディッシュ(Mark Cavendish、英国)を安全フェンスに衝突させ、落車を誘発したとして大会を追放されたが、今回は事故なく選手はゴールを切った。

 力を見せつけた29歳のキッテルは、それぞれ4度ステージ優勝を飾った2013年大会と2014年大会の状態に戻ったことを印象付けている。キッテルは大会公式データで最高時速71.17キロメートルを計測し、最後の集団スプリントで後方からライバルをごぼう抜きする強さを発揮した。

 キッテルは「残り250メートルでアタックを仕掛けた。足の状態が良ければ結末は見えていた。最後の1キロでギャップを見つけることができると思っていたし、それを残り250メートルで見つけたんだ」とコメントした。

 大会通算11勝はグライペルと並ぶ記録で、1996年から2001年にかけてポイント賞首位のマイヨ・ヴェール(グリーンジャージー)を獲得したエリック・ツァベル(Erik Zabel、ドイツ)氏が持つドイツ出身選手の最多記録の12にあと一つまで迫った。

 チームメートの総合首位フルームを追うゲラント・トーマス(Geraint Thomas 、英国)は12秒差をキープし、総合3位につけるアスタナ(Astana Pro Team)のファビオ・アール(Fabio Aru、イタリア)とフルームとの差も14秒のままで終わるなど、今ステージは総合順位の上位選手が静かなレースとなった。

 今ステージでは飛んできた大きなパラソルがコースを横切ったことが最大のドラマとなったが、数人の選手はパラソルを避けなければならなかったものの、そこがスピードを出す地点ではなかったのは幸いだった。

 コースに飛ばされたパラソルを避けるため、進路を変えなければならなかったフルームは、「それはどこらかともなく現れた。ちょっとした突風が吹いていた場所だったので、それが観客のパラソルをコースに吹き飛ばしたのだと思う」と述べ、不快感を示した。

「それは道路の中央右寄りの場所に着地した。そういうことが起きるととても怖いよ。並んで走っていて大きなパラソルが目の前に来ればみんな避けようとするからね」(c)AFP/Barnaby CHESTERMAN