【7月13日 CNS】世界遺産委員会が12日まで、ポーランドで行われている。青海(Qinghai)のココシリ(Hoh Xil)は自然遺産に、福建(Fujian)の鼓浪嶼(コロンス島、Gulangyu)は文化遺産にそれぞれ推薦された。これまでに登録された中国の世界遺産は50件にも登り、自然遺産、文化景観など、雄大なものや奥が深いものなど様々だ。

 第1回世界遺産委員会が1977年にパリ(Paris)で行われてから、中国は1985年12月12日に「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に締約国として名を連ねた。1987年に、万里の長城(Great Wall)、敦煌莫高窟(ばっこうくつ、Mogao Caves)、北京(Beijing)と瀋陽(Shenyang)の明・清王朝皇宮、秦の始皇帝(Qinshihuang)陵及び兵馬俑(Terracotta Warriors)、周口店(Zhoukoudian)の北京原人遺跡などがユネスコ(UNESCO)世界遺産に登録された。

 莫高窟は「千仏洞」とも呼ばれ、前秦(350年~394年)の支配下にあった時期に作られ始め、735か所の洞窟と天女が描かれた「飛天」を始めとする4万5000平方メートルの壁画がある。万里の長城の壮大さも有名である。

 山西(Shanxi)省中部に位置する平遥古城(へいよう・こじょう、Pingyao Gucheng)は西周末期の周王時代(前827年~782年)に建設が始まった。「保存状態の最も良い四大古城」の一つで、古城内の民家邸宅も当時を思わせる荘厳な様子でたたずんでいる。

 都江堰(Dujiangyan)水利施設はそれまで水不足に苦しんでいた成都平原(四川盆地の西部)を潤し、「天府之国」とうたわれるまでになった。青城山(Mount Qingcheng)と都江堰は2000年に文化遺産として登録された。

 2016年、ちょうど50件目の世界遺産として自然遺産に登録された湖北(Hubei)の神農架林区は、中国の「農業の父」で医学者でもあった「神農皇帝」でその名が知られ、祭壇が現存しているが、上述の遺産とは違った一面を見ることができる。地域独自の植生、植物の垂直分布、生態と生物の過程などにおいて世界でも類を見ず、生物多様性が豊富だということで登録が決定した。

 この地区には3767種の維管束植物、600種以上の脊椎動物、4365種の昆虫が生息しており、そのうち205種はこの土地の固有種で、2種の特有属と1793種の中国特有種を含む。「孫悟空」のモデルとされ、象徴種でもあるゴールデンモンキーが1300匹以上暮らしている。

 今後、世界遺産の数はもっと増えるであろう。しかし、登録されたということは、それで終わりではなく、これから更に良くなるように保護、改善し、貴重な遺産を永久に美しい状態で維持しなければならないということでもある。(c)CNS/JCM/AFPBB News