■3回の爆発的増加

 また、研究チームは、異なる種のカエルが互いに分岐した時期を特定するために化石記録も調べた。

 その結果「新たなカエル種の爆発的増加が1回でなく3回、異なる大陸で起きた証拠」が見つかった。論文には「3回の爆発的増加はみな、大半の恐竜とその他多くの生物種が姿を消した約6600万年前の大量絶滅の直後に集中している」ことが明らかになったと記されている。

 大量絶滅を生き延びた3種のうち、ヒメアマガエル類(学名:Microhylidae)とアカガエル類(Natatanura)はアフリカから出現しており、もう1種のアマガエル上科(Hyloidea)は現在の南米大陸全体に拡散した。

■新たな生息環境へ

 恐竜と大半の鳥類の消滅により、白亜紀後期にカエルのための新たな生態的地位が形成された。

「広範囲に及ぶ森林破壊などの生態系の大規模な変化が、この時代に起きたと考えられる」とブラックバーン氏は指摘する。しかし、「微小生息域で生き延びることに長けていたカエルは、森林や熱帯の生態系が回復するにつれて、こうした生態学上の新たな好機を素早くものにしたのだろう」と続けた。

 論文の主執筆者で、中国・中山大学(Sun Yat-sen University)の研究者のペン・ツァン(Peng Zhang)氏は「今回の研究に関する最も興味深い点は、カエルが非常に強い動物群であることを証明したことだと考えている。恐竜を完全に消滅させた大量絶滅を生き抜き、そしてすぐにまた繁栄したのだろう」と語った。(c)AFP/Kerry SHERIDAN