【7月4日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に近いニュージャージー(New Jersey)州のクリス・クリスティー(Chris Christie)知事が2日、予算の不成立を受けて閉鎖されたビーチでくつろぐ姿を写真に撮られ、ただでさえ支持率が低迷する中で新たに大衆の怒りを買っている。

 多くの米国民にとって、砂浜で太陽の光をいっぱいに浴びた後でバーベキューに興じたり、花火を見たりするのは、独立記念日(Independence Day)の週末定番の過ごし方だ。

 しかし、ニュージャージー州では6月30日、共和党のクリスティー知事と州議会の民主党勢力の対立で予算が成立しなかったために、同知事がビーチと公園を閉鎖。この結果、州の900万人近い住民や州外の人々はビーチに出かける計画を取りやめざるを得なくなった。

 一般市民が自宅で過ごすなかで、クリスティー知事は2日、アイランド・ビーチ州立公園(Island Beach State Park)の白い砂浜を友人や家族と共に楽しみ、その姿を撮影された。同公園には、州知事が夏を過ごすための別邸が州によって設けられている。

 クリスティー知事は写真が公表される前に開かれた記者会見で、日光はまったく浴びなかったと釈明した。

 だが、NJアドバンス・メディア(NJ Advance Media)のカメラマンが小型飛行機から撮影した写真には、知事の発言とは真逆の様子が捉えられている。写真が公になってからも知事側は説明を変えず、広報担当者は米メディアに「知事は日光を一切浴びていない。野球帽をかぶっていた」と述べている。

 写真が公開されると、地元メディアやソーシャルメディアで知事への出費に批判が巻き起こった。クリスティー知事は、別邸は公園と一体ではなく、自身や家族が州から便宜を受けたわけでもないと弁解した。

 クリスティー知事は州議会との間で予算をめぐる合意が達成できなかったことを受け、ニュージャージー州と「自由の女神像(Statue of Liberty)」、エリス島(Ellis Island)を結ぶフェリーの運航など、不要不急の行政サービスの停止を指示していた。

 米キニピアック大学(Quinnipiac University)が6月に実施した調査によれば、クリスティー知事の支持率は15%。これはニュージャージー州以外も含め、過去20年余りに同大が調べたすべての州知事の支持率で最低だという。(c)AFP/Jennie MATTHEW