【7月2日 AFP】米軍とフィリピン軍は1日、イスラム過激派の「猟場」と呼ばれる比南部沖の「スールー海(Sulu Sea)」の海域で合同パトロールを行った。

 米大使館が発表した声明によると、米海軍の沿海域戦闘艦「コロナド(USS Coronado)」と比海軍のフリゲート艦BRPラモン・アルカラス(BRP Ramon Alcaraz)は、イスラム過激派や武装組織による誘拐が多発しているスールー海(Sulu Sea)で合同パトロールを行った。

 比南部を拠点とするイスラム過激派組織「アブサヤフ(Abu Sayyaf)」はこの数か月間、スールー海を航行する船から人質を取るなど、身代金目的の誘拐を繰り返しており、身代金が支払われない場合には人質を斬首することもある。

 イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に忠誠を誓う派閥も含むアブサヤフはマレーシアにも渡り、同様に身代金目的の誘拐を行っている。

 また、アブサヤフの戦闘員たちは、南部ミンダナオ(Mindanao)島のマラウィ(Marawi)で5月から政府軍と戦闘を続けているイスラム過激派組織にも参加しているとみられている。

 米大使館によれば、合同パトロールは比政府から要請があったという。

 1年前に就任したロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領はこれまで、従来の同盟国である米国とは距離を置き、そのライバル国である中国やロシアに接近してきた。(c)AFP