【7月2日 AFP】男子テニスのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)の開幕を前に、元世界ランキング7位のマリオ・アンチッチ(Mario Ancic)氏をコーチングチームに加えることが明らかになった。1日のクロアチア紙が報じた。

 現在33歳のアンチッチ氏は、2011年にけがで現役を退き、引退後は米国の金融業界で働いているが、ウィンブルドンでは往年の名選手アンドレ・アガシ(Andre Agassi)氏とともに、復調を目指すジョコビッチを助けることになる。アガシ氏は6月の全仏オープンテニス(French Open 2017)からコーチに就任している。

 エイゴン国際(AEGON International 2017)でガエル・モンフィス(Gael Monfils、フランス)を6-3、6-4で破り優勝したジョコビッチは、スポーツ専門放送局ユーロスポーツ(Eurosport)で「彼はすごく良い友人なんだ」と語った。

「ウィンブルドンでは準決勝まで勝ち上がっているし、まだ10代の頃にロジャー・フェデラー(Roger Federer)を倒したこともある。ものすごく才能があったけれど、残念ながらけがと病気でキャリアを終えなければならなかった。だけど連絡は絶やしていないし、ツアーで出会った中で最高の親友の一人だ」

「彼をテニスの世界に引き戻すことができて、英ロンドン(London)で会うのがすごく楽しみだし、彼とアガシと一緒に過ごせるのも楽しみだ。みんなで良い大会にしたい」

 アンチッチ氏は、ウィンブルドンで4強入りを果たした翌年の2005年に国別対抗戦のデビスカップ(Davis Cup 2005)を制覇したが、けがや病気に長く苦しめられる中で、26歳での引退を決断した。

 現在の仕事との両立が難しいため、コーチ就任は一時的なものだとみられている。アンチッチ氏本人も、上司と交渉してなんとかジョコビッチとロンドンでタッグを組む時間を確保したと認めている。

「何回も話し合いをして、(会社の)いろんなところから許可をもらう必要があった。先週末はその交渉に時間を費やしたよ。そしてありがたいことにゴーサインが出た。ウィンブルドンに行って、ノバクのために時間を作れる」

 エイゴン国際を制覇してようやく今季2勝目を挙げたジョコビッチは、ウィンブルドンでは1回戦でマーティン・クリザン(Martin Klizan、スロバキア)と対戦する。(c)AFP