【6月28日 AFP】イタリア・セリエA、ACミラン(AC Milan)の伝説的選手パオロ・マルディーニ(Paolo Maldini)氏が27日、同国ミラノ(Milan)で開催された大会でプロテニスデビューを飾ったが、1-6、1-6で完敗を喫し、自身のテニス選手としてのキャリアはこの一試合限りで終了すると話した。

 現在49歳のマルディーニ氏は「ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)とプレーすること」がテニスでの夢だと話していたが、この日は自身のコーチを務めるステファノ・ランドニオ(Stefano Landonio)氏と組んだダブルスでダビド・ペル(David Pel、オランダ)/トマシュ・ベドナレク(Tomasz Bednarek、ポーランド)組にストレート負け。わずか1試合でキャリアに終止符を打つことになった。

 しかしながら、対戦相手のペルはダブルスの世界ランキングで現在208位につけているほか、ベドナレクは2013年の全仏オープンテニス(French Open 2013)で準々決勝まで進出し、翌年に自己最高となる44位を記録した実績があることを考慮すれば、今回の敗戦は極めて合理的なものだったといえる。

 1996年に自己最高975位をマークした経験を持つランドニオ氏とマルディーニ氏は、先日開催されたアマチュア大会での成績が認められ、今大会へのワイルドカード(主催者推薦)が与えられていたが、2人が戦ったATPチャレンジャーツアー(ATP Challenger Tour)はフェデラーらトップ選手がしのぎを削るレベルの一つ下に位置づけされており、格の違いを見せつけられる結果となった。

 試合中には力強いフォアハンドを何本か披露したマルディーニ氏だったが、バックハンドには少し難があり、サーブもプロのレベルからははるかに見劣りするものだった。1時間足らずで敗れたマルディーニ氏は試合後、「素晴らしい経験だったし、本当に楽しむことができたが、2回目はない」と自身のプロテニスのキャリアに幕を下ろすと語った。

 サッカー界の世界的レジェンドとして認められているマルディーニ氏は現役時代、通算647試合に出場したミランで計26個のトロフィーを獲得しただけでなく、5度の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇も経験した。

 また、現在は北米サッカーリーグ(NASL)のマイアミFC(Miami FC)でディレクターを務めるマルディーニ氏は、イタリア代表として126試合に出場し、1994年のW杯米国大会と2000年の欧州選手権(UEFA Euro)でファイナリストに輝いている。(c)AFP