【6月27日 AFP】「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」から「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」にいたる有名ブランドまでが、イスラム教徒の聖なるラマダン(断食月)期間に、アラブ諸国の大きなマーケットを大きく潤わせる。これによりラマダンは、グローバルなファッションカレンダーにおいて確かな地位を築いている。

 イスラム教徒たちが服にかける金額は上昇中だ。主要ブランドは世界有数の買い手たちがいる、ディルハム(dirham)、ディナール(dinar)、リヤル(riyal)といった外貨を使用している国へアピールをしている。アメリカ、ヨーロッパ、そしてアジアにおけるハイブランド及びファストファッションブランドは、「慎み深い服装」への要求が青天井であるアラブ地域への積極的な進出を見せている。イスラム教徒のライフスタイルを紹介するSNSのインフルエンサーや美容のビデオブロガーたちの影響も大きい。

 ホリデーシーズンは世界中の小売業者にとって一番の書き入れ時だ。日中の飲食を一切絶ち、慎み深さを反映する断食月のラマダンも、もはやその例外ではない。アラビア半島の伝統民族衣装であるアバヤ(abaya)は服の上からまとう緩いローブだが、ドバイ(Dubai)を中心に活動するデザイナーのアイーシャ・ラマダン(Aiisha Ramadan)氏によると、この聖なる時期にアバヤの市場は売り上げのピークを迎えるという。女性たちはどれだけ費用をかけても、同じ服を繰り返し着ることを避けようとするからだ。

 しかし控えめな服装に興味を抱く顧客たちへの関心が待ち望まれた一方で、アラブ中の品揃えには賛否両論や呼び起こし、気分を害する人たちも多い。