【6月27日 AFP】陸上男子短距離のスーパースター、ウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)は、陸上界がドーピングや汚職スキャンダルを抱えている中、「感慨深い」今シーズンを最後にその輝かしいキャリアに幕を閉じると強調している。

 通算8個の五輪メダルと通算11個の世界選手権(IAAF World Championships in Athletics)タイトルに輝くボルトだが、最も特筆すべきは、社交的で風格に満ちたキャラクターで知られるように、常に前向きな話題を提供する世界的アスリートとして陸上界が頼りにできる存在であることだ。

 今季終了後に現役続行する可能性があるか問われたボルトは「いや、それは考えていない!」と否定し、「素晴らしいキャリアを過ごしてきた。浮き沈みも、これまで経験したり味わってきたりしたことも、喜びも悲しみもすべて楽しんできた。最高のキャリアだったし、やりたいことは全部やってきた。終わりが近づいていても大丈夫だ」と話した。

 現役最後のシーズンに挑むボルトは、すでに母国キングストン(Kingston)のレースを終え、今後はオストラバ大会とダイヤモンドリーグ2017(IAAF Diamond League 2017)第11戦モナコ大会(Herculis EBS)を挟み、第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)に出場する予定となっている。

 28日にチェコ・オストラバ(Ostrava)北東部の都市で開催されるオストラバ・ゴールデン・スパイク(2017 Ostrava Golden Spike)を控えた会見でボルトは、「感慨深いシーズンだ。レースでは最後を楽しみにしてくれているファンに喜んでもらえるショーにしたい。個人的には現在、シーズンを戦うことに集中している。とにかく観客に楽しんでもらいたい。全力を尽くしながら、一瞬一瞬を存分に楽しむつもりだ。スタジアムではじっとしているつもりはないよ」と語った。

「これが最後なのは確かだから、感慨深いものになるだろう。見たり感じたり、関係者や選手と一緒にいたり、メダルルームでみんなと過ごしたり、昔のことをふざけたり笑ったりして、感情を揺さぶられるだろうね」