【6月27日 CNS】俳優の黒柳徹子(Tetsuko Kuroyanagi)さんの自伝的物語「窓ぎわのトットちゃん」が、中国で発行部数1000万部を突破した。それを記念して、出版社の新経典文化股份有限公司(Thinkingdom Media Group Ltd、以下、新経典文化)は21日午後、北京(Beijing)市で記念イベントを開催した。

 新経典文化によると、「窓ぎわのトットちゃん」の中国語版は2003年に発売されて以来、10年連続で国内の児童書販売ランキングで上位5位に入っている。2017年6月の時点で、同書の発行部数は1000万部を突破した。

 黒柳さんは中国の読者向けのビデオメッセージで、「街中で中国の皆さんに会った時、『トットちゃん』と呼んでもらったら、私の本を読んでくださっている読者なのだとすぐに分かります」と語った。

 中国の著名な児童文学作家、曹文軒(Cao Wenxuan)氏は「この本の主人公はトットちゃんでもなく、小林校長先生でもない。『教育』である」と話す。

 同じく児童文学作家の伍美珍(Wu Meizhen)氏は、「ベストセラーや長期にわたって売れる作品はファンタジー系の物語が多い。しかし、『窓ぎわのトットちゃん』は、とても素朴。たくさんの読者を引き付けている理由は、内容にうそや偽りがなく、作者の自然体で気さくなまごころが感じられる点にある」と評価した。

 発行部数1000万部突破を記念して、新経典文化は今月、北京の三里屯(Sanlitun)にある書店ページワン(Page One)で「窓ぎわのトットちゃん展」を開催する。会場では、トットちゃんの版画や、ファンの手紙、絵などが展示される。(c)CNS/JCM/AFPBB News