■2016年の市場規模は530億元

 買い物依存症を自称するワン・ホーホーさんや、その友人のワン・ルーハンさんは昨年、センスの良いファッションについての情報や購入場所などを中国のソーシャルメディアに投稿し始めた。開始当初、2人はこの新しい趣味がお金を生むなどとはまったく予想していなかったという。

 まもなくして、2人の投稿や動画は人気となり、数万人のフォロワーを獲得するまでに成長。フォロワーの中には、彼女たちのお墨付きを得ようと競い合う小売業者たちもいた。

 他の網紅同様、2人もインターネット上での知名度を生かして、この6月にファッションの電子商取引ビジネスを立ち上げた。

「自分が着たいと思えるような面白いアイテムを探しているだけ。ちょっと面白い写真を撮ってブログに投稿すると、見ている人たちは実際にこれらを買いにいく」とワン・ホーホーさんは、信じられないといった様子で語った。

 インターネット調査会社アナリシス・インターナショナル(Analysys International)によると、網紅産業の昨年の市場規模は530億元(約8700億円)で、2018年までにはさらに倍増するとみられている。

 ネット通販大手「淘宝(タオバオ、Taobao)」をはじめとする電子商取引プラットフォームを楽しくナビゲートするワン・ホーホーさんやワン・ルーハンさんの投稿は、中国の若い女性たちに人気がある。そこに目を付けた服飾ブランドは、自社商品を紹介してほしいと網紅である彼女たちに対価を支払い始めた。

 ワン・ルーハンさんはまだ24歳。人生のこんなにも早い段階で起業するとは考えてもいなかったとしながら、「ブログを始めなかったら、投資業界か金融業界に入っていただろう」と述べる。また未経験のことばかりなので、「手探りで正解を導き出していかなくてはならない」とも語っている。(c)AFP/Albee ZHANG