【6月25日 AFP】(更新、写真追加)パキスタン中部で25日、石油を運搬するタンクローリーが横転して炎上し、少なくとも139人が死亡した。負傷者も100人以上に上っている。

 事故があったのは、首都イスラマバード(Islamabad)から南西約670キロのパンジャブ(Punjab)州アフマドプル・イースト(Ahmedpur East)付近。

 州保健相はAFPに「死者は139人に増え、負傷者の大半は重体だ」と説明。負傷者は100人を超えているとも述べた。

 州政府高官はこれに先立ち、犠牲者は漏れ出した燃料目当てでタンクローリーに駆け寄った人々だと語っている。

 タンクローリーは石油4万リットルを積んで南部カラチ(Karachi)から北東部のパンジャブ州ラホール(Lahore)に向かって幹線道路を走行していた際に、アフマドプル・イースト近くで横転した。

 事故があった25日はイスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」の終了を祝う「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」が始まる日にあたることから、道路はこの祝日を故郷で祝おうとする人たちや車両で混雑していた。

 事故の詳細は不明だが、地元警察のラジャ・リファット(Raja Riffat)氏は目撃者らの話として、タンクローリーのタイヤがパンクしたようだと語った。

 リファット氏がAFPの取材に語ったところによると、タンクローリーが横転するとバケツなどの容器を手にした近隣住民やオートバイに乗った人々が多数、現場に駆け寄ってきて漏れ出した石油をすくい始めた。しかし10分ほど経ったころで、タンクローリーが爆発し炎上。石油をすくっていた人々は炎にのみこまれた。爆発の原因は不明だという。

 テレビで放映された映像には、消防隊員が消火活動にあたる中、煙をあげて炎上するタンクローリーが映し出された。路上には黒焦げになったオートバイと車両数十台や、犠牲になった人々が石油を持ち帰るために手にしていた台所用品や鍋、灯油タンク、バケツなどが散乱していた。

 リファット氏によれば、犠牲者の遺体は炭化が激しく身元の判別は不可能な状態だという。(c)AFP