【6月24日 AFP】スイスの農業化学大手シンジェンタ(Syngenta)が中国への輸出が認められていない遺伝子組み換え作物(GMO)のトウモロコシの種子を販売したとして、米連邦裁判所は23日、同社に対しカンザス(Kansas)州の農家7000世帯に計2億1770万ドル(約242億2000万円)の賠償金を支払うよう命じた。

 原告側の弁護士によると、同州の農家たちは2013年にシンジェンタ製の遺伝子組み換え種子から栽培したトウモロコシを中国へ輸出しようとしたが中国当局に拒否され、甚大な経済的損害を受けた上、この事態によってトウモロコシの価格が急落したと主張していた。

 陪審団は、事態はシンジェンタの過失によるものだと判断し、農家への賠償額は2億1770万ドルに上るとした。弁護士によると、今回の裁判はシンジェンタに対する訴訟8件のうちの1件でしかないという。この他の訴訟は、ネブラスカ(Nebraska)、アイオワ(Iowa)、イリノイ(Illinois)、オハイオ(Ohio)州などの農家が起こしているもので、全米で損害の総額は50億ドル(約5560億円)超相当とみられている。(c)AFP