■究極のドライブ旅行

「外国人がこの道路を旅しに来るのは、地方の個性がなくなる前の米国を体験する機会が得られるからだ」と語るのは、歴史家で「ルート66:ザ・マザー・ロード(Route 66: The Mother Road)」の著作があるマイケル・ウォリス(Michael Wallis)氏だ。

 ルート66は全てが予測不可能で、いまだ冒険にあふれた道だと同氏は言う。「例えば、マクドナルド(McDonald)で何が出てくるかは分かっている…だけど、ルート66のような古い2車線道路では、カフェや安食堂、パイ屋、軽食レストランと色々あって、何が食べられるか分からない」

 ウォリス氏によると、ルート66にやって来る観光客で最も急増しているのは中国人とブラジル人、それから欧州人。未開の土地というイメージに惹かれ、「生涯の思い出となるドライブ旅行」のつもりで来るのだという。

 年に2回、ルート66のドライブ旅行を主催しているジョルト・ナジ(Zsolt Nagy)さんは「参加者は20代から70代まで。皆、この道路に魅了されて、ドライブを体験するために、マスタング(Mustang)のコンバーチブルやハーレーダビッドソン(Harley Davidson)に乗りたがる」と述べた。ツアー料金は1人当たり8000ドル(約90万円)だ。「景気は上向きで、道路も良くなり、看板もきれいになり、生き返りつつある」と語る。

 ジョルトさんはハンガリー出身。10年ほど前にドライブ旅行にやってきてこの荒野の道の虜になった。「ルート66の伝説はとてつもなく大きくなってきていると思う」と語った。