【6月23日 AFP】ベルギーのブリュッセル(Brussels)で開催されている欧州連合(EU)首脳会議で、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は22日、英国のEU離脱(ブレグジット、Brexit)よりもEUの将来が優先されるべきだとの主張を展開した。

 先の総選挙で大敗を喫し、過半数割れとなった与党を率いる英国のテリーザ・メイ(Theresa May)首相に対しては、あらゆる方面から圧力が高まっている。メイ氏は総選挙後初となる今回のEU首脳会議において、離脱後の在英EU市民の権利保護の方針を提示することが課題だと述べていた。

 しかし欧州最強のリーダーであるメルケル氏は、ブレグジットは最優先課題ではないと明言。ドイツとフランス、そして就任間もないエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領との強い絆を改めて確認した。

 メルケル氏は、「私にとっては英国とのEU離脱交渉の議題よりも、(英国を除くEU加盟国)27か国の将来を築くことが優先だ」と述べた。

 EU首脳会議に初めて臨んだマクロン氏は、ブレグジットには直接言及しなかったものの、今は「ドイツと手を取り合って」具体的な作業に取り掛かり、長年にわたり緊縮や危機に見舞われてきたEUを復調させる時だとの見解を示した。

 マクロン氏は「われわれは自分たちの利益に基づいた、自分たちの戦略を確立しなければならない」と述べた。(c)AFP/Bryan McManus and Alice Ritchie