【6月22日 AFP】ロシア陸上競技連盟(ARAF)は21日、北京五輪の陸上女子4×400メートルリレーで銀メダルを獲得したアナスタシア・カパチンスカヤ(Anastasiya Kapachinskaya)ら同国の選手3人について、ドーピング違反により4年間の出場停止処分が科されたと発表した。

 2008年の北京五輪で採取された検体の再検査で、カパチンスカヤのほかに同五輪の陸上女子1万メートルで6位に入ったインガ・アビトワ(Inga Abitova)と、男子4×400メートルリレーで銅メダルを獲得したデニス・アレクセーエフ(Denis Alekseyev)が、禁止薬物のトゥリナボル(turinabol)を使用していたことが発覚した。

 スタノゾロール(stanozolol)にも陽性反応を示したカパチンスカヤは、2011年に行われた第13回世界陸上大邱大会(13th IAAF World Championships in Athletics Daegu)の再検査でも違反が判明している。

 ARAFで反ドーピングの調整官を務めるエレーナ・イコンニコワ(Yelena Ikonnikova)氏は、AFPの取材に対し、「これらの3選手は、ドーピング規則に違反したことを自主的に認めた。国際陸上競技連盟(IAAF)から連絡を受けた当該選手らの有罪申告は、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)の規律委員会によって確認された」と語った。

 国際オリンピック委員会(IOC)は現在、薬物違反の根絶を目指し、最新技術を駆使して北京五輪と2012年ロンドン五輪で採取された数百に及ぶ検体の再検査を実施している。

 世界反ドーピング機関(WADA)の報告書で国家ぐるみのドーピングが指摘されたロシアは、昨年のリオデジャネイロ五輪で陸上選手が全面的に除外され、その処分が継続されたままとなっている。

 一部のロシア陸上選手は、例外的な資格基準を満たした場合のみ、IAAFから中立の立場で競技に出場することが認められている。(c)AFP