【6月21日 AFP】(更新)フィリピン軍当局によると、南部ミンダナオ(Mindanao)島のピグカワヤン(Pigkawayan)で21日、イスラム武装勢力が小学校を一時占拠し、複数の民間人を人質に取って立てこもった。武装勢力は同日夜に逃走し、人質31人は無傷で解放されたという。

 フィリピン軍の報道官を務めるレスティトゥート・パディージャ(Restituto Padilla)准将は21日夜、AFPの電話取材に「すべて解決した。人質は全員、無事が確認された。誰も負傷していない」と述べた。地元の軍報道官も同様の説明をしている。

 報道官2人の説明によると、武装勢力の戦闘員らは人質31人を置き去りに、暗闇に乗じて逃走したという。人質となっていた人々のうち12人は子どもだという。

 これに先立ちフィリピン軍は、数百人の戦闘員が夜明けごろに軍の前哨基地を襲撃し、うち約30人が小学校を占拠して複数の民間人を人質に取ったと発表した。AFPの電話取材に応じた軍報道官は、武装勢力が「人質を人間の盾として利用している」と語り、小学校の周囲には手製の爆弾が設置されたと述べていた。

 ピグカワヤンはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系の武装勢力が軍と1か月にわたって戦闘を続けるマラウィ(Marawi)から約160キロの位置にある。

 パディージャ報道官は先に、小学校を襲撃した集団はミンダナオ島で活動する4つの武装勢力の一つ「バンサモロ・イスラム自由戦士(BIFF)」に所属しているとの見方を示していた。地元警察はBIFFによる襲撃について、マラウィで市街戦を続けるIS系武装勢力を支援する陽動作戦の可能性を指摘している。(c)AFP/Ayee Macaraig