【6月21日 AFP】(更新、写真追加)フィリピン当局によると、南部ミンダナオ(Mindanao)島の村で21日、イスラム武装勢力とみられる数百人規模の集団が政府軍部隊を襲撃した。近くの都市マラウィ(Marawi)で市街戦を繰り広げる武装勢力を支援する陽動作戦とみられている。軍の報道官は、「人間の盾」として使われた民間人5人の行方が分からなくなっていると明らかにした。

 現場はコタバト(Cotabato)州ピグカワヤン(Pigkawayan)の村。ピグカワヤンはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系の武装勢力が軍と1か月にわたって戦闘を続けるマラウィ(Marawi)から約160キロの位置にある。

 ピグカワヤンの町長は武装集団の数を約200人としたが、警察は約300人だったと報告している。

 地元警察幹部はラジオ局に、襲撃はマラウィでイスラム過激派に対する圧力を弱めることを狙った陽動作戦の可能性があるとの見方を示した。同幹部によると、襲撃犯はミンダナオ(Mindanao)島で活動する4武装勢力の一つ「バンサモロ・イスラム自由戦士(BIFF)」の構成員とみられる。専門家らによればBIFFもISに忠誠を誓っている。

 軍の報道官は記者会見で、武装集団は警備が手薄だった前哨基地を奇襲し、軍と交戦したと発表した。襲撃後即座に撤退し、軍が行方を追っているという。ただ「すでに解決した。敵は撤退しており、(中略)(襲撃は)失敗した」とも語った。

 当局は当初、武装集団が小学校を占拠したと述べていた。軍の報道官は小学校で何かがあったかどうかについては一切言及しなかった。(c)AFP