【6月21日 AFP】シリア南部で20日、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権側の部隊が運用するイラン製の無人機が、米軍機により撃墜された。米主導の有志連合が発表した。シリアと同盟関係にあるロシアは「テロの共謀」に等しい行為だと非難している。

 シリアでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の掃討作戦を展開している有志連合の声明によると、20日午前、米軍のF15戦闘機「ストライクイーグル(Strike Eagle)」が、シリアの東側の国境に近いタンフ(Al-Tanaf)基地に近づいた武装無人機「シャヘド129(Shahed-129)」を撃墜した。

 声明には、同機が「敵意を示して有志連合部隊に向かって来た」と記されている。米軍関係者はAFPに対し、無人機が「爆弾を投下しようとわれわれの部隊に向かって飛来した」ことを受けて、自己防衛のため撃墜したと説明した。

 シリアでは数日前にも、米軍機が政権軍の戦闘機を撃墜し、ロシアが強く反発。ロシア政府は、混み合ったシリア領空内での事故防止を目的に設けられているホットラインの使用を中断した上、有志連合の戦闘機を「標的」とみなすことも辞さないと警告していた。

 今回の無人機撃墜について、ロシアのセルゲイ・リャブコフ(Sergei Ryabkov)外務次官はインタファクス(Interfax)通信に対し、「シリアではこの種の攻撃はテロの共謀に等しい」と非難した。(c)AFP