【6月21日 CNS】中国の成都大熊猫繁育研究基地(Chengdu Research Base of Giant Panda Breeding)は8日、最年長のメスのジャイアントパンダの蘇蘇(Susu)が2日に病気により死んだと発表した。34歳で、人間に例えると100歳に相当する高齢パンダだった。死因は高齢による各内臓器官の機能低下だった。

 蘇蘇の一生はあまり恵まれたものではなかった。1986年5月に野生環境で応急手当を受け、当時の成都動物園(Chengdu Zoo)に搬送された時にはすでに成獣年齢に近く(保護記録によると出生は1983年と推測)、けがで片目がすでに失明状態であった。

 また1987年に麻酔を使った身体検査で昏睡状態になり、3時間半の間呼吸が停止し、25時間ショック状態にも陥ったが、彼女の強い生命力と、医療スタッフの懸命の努力で蘇生させることに成功した。

 ここ近年、蘇蘇は高血圧の症状が見られ始め、肝機能も低下、心肺機能等も衰弱し、高年齢による症状が現れだしていた。獣医団の対応により、病状は徐々に回復したものの、主食の竹や笹への食欲が次第に減少してきたところで、経管栄養法でチューブを挿入して栄養剤を注入することもあった。

 5月下旬には蘇蘇の病状がしだいに悪化し、活動も減少、食欲も更に低下した。獣医と飼育員たちは24時間体制で看護したものの、2日午後に蘇蘇の病状が急変。獣医が緊急対応したが、30年前のように蘇蘇が再び目覚める事は無く、18時28分に心臓が停止した。

 検死解剖では、蘇蘇の肝臓はすでに硬化状態で、肝臓、心臓といった器官も萎縮していたことから、獣医は高齢性の衰弱死と診断した。

 蘇蘇は生涯、3回の出産で5匹の子供を生んだ。そのうち3匹は成獣まで成長し、そののち「浜系列」と呼ばれる日本のパンダたち(日本国内で生まれた、良浜(ラウヒン)、梅浜(メイヒン)、永浜(エイヒン)、優浜(ユウヒン)といった「浜」の名前が付いたパンダたちの血筋)はすべて彼女の子孫であることは有名だ。(c)CNS/JCM/AFPBB News