過激思想に染まった兄弟、故郷のミンダナオ島襲撃を指揮
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■中東留学中に過激化
マウテ兄弟が率いる組織は、ミンダナオ島で数十年にわたり続いているイスラム分離独立運動がルーツとなっているが、2012年頃に小規模な寄せ集めのグループとして誕生した。
主要な反政府勢力「モロ・イスラム解放戦線(Moro Islamic Liberation Front、MILF)」が政府との和平協議を模索する一方、マウテ兄弟やその他の小規模な強硬派グループは、イラクやシリアにおけるISの残忍さに触発された狂信的メンバーの新たな拠り所となった。
安全保障専門家のシドニー・ジョーンズ(Sidney Jones)氏はAFPに対し、「マウテ兄弟を柱とする小規模な集団が実際の深刻な軍事的脅威に変貌した原因は、中東におけるISIS(ISの別称)の台頭にあると私は考える」と語った。
ただジョーンズ氏やフィリピンの首都マニラ(Manila)に拠点を置く研究機関「Philippine Institute for Peace, Violence and Terrorism Research、PIPVTR」のロメル・バンラオイ(Rommel Banlaoi)代表は、兄弟はもっと早い段階で、具体的には中東に留学していた時に過激化したと指摘する。兄弟はカレッジ卒業後、オマークハヤム容疑者はエジプトに、アブドゥラ容疑者はヨルダンに渡っている。
バンラオイ氏によると、兄弟は約10年間国外にいた後にミンダナオ島に帰国し、逃亡中のインドネシア人戦闘員ウスタズ・サヌシ(Ustadz Sanussi)容疑者に師事。その後、サヌシ容疑者の紹介で他の東南アジアのイスラム過激派らと接触したが、この中にはマレーシアの爆弾製造犯ズルキフリ・ビン・イール(Zulkifli bin Hir)容疑者も含まれていたという。(c)AFP/Cecil MORELLA