【6月16日 AFP】(訂正)仏パリ(Paris)郊外で今週行われたサッカー国際親善試合のフランス対イングランド戦で、英国で起きた襲撃事件の犠牲者追悼のため英ロックバンド「オアシス(Oasis)」のヒット曲「ドント・ルック・バック・イン・アンガー(Don't look back in anger)」を演奏した仏軍楽隊の指揮者を、作曲者のノエル・ギャラガー(Noel Gallagher)さんがコンサートに招待したことが分かった。コンサートの主催者が15日、明らかにした。

 仏軍楽隊のジャンミシェル・ムキル(Jean-Michel Mekil)さんは13日、パリ郊外サンドニ(Saint Denis)にあるスタジアム「スタッド・ド・フランス(Stade de France)」で行われた試合前に、英マンチェスター(Manchester)の襲撃事件で犠牲となった子供7人を含む22人の死者を追悼するため「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」を演奏した。

 マンチェスター出身のオアシスのこの曲は、襲撃事件の犠牲者追悼の象徴となっており、事件後にマンチェスター市内で行われた慈善コンサートでも出演者らによって歌われた。

 眼鏡を掛けたムキルさんが軍楽隊の制服姿でエレキギターを弾きながら熱唱する様子は、フランス国内のインターネット上でたちまち話題となった。

 これがきっかけで、ムキルさんは来月スタッド・ド・フランスで開かれるノエルさん出演予定のコンサートに招待された。ノエルさん率いるバンド「ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ(Noel Gallagher's High Flying Birds)」は、アイルランドのロックバンド「U2」が2日間にわたって行うコンサートで前座を務めることになっている。

 コンサート主催者によると、今のところムキルさんがノエルさんと共演する予定はないというが、ムキルさんは「とても驚いた。観客の一人として曲を聞けるなんて最高だ」と喜んでいる。15日、仏中部モンリュソン(Montlucon)での演奏活動の合間にAFPの取材に応じたムキルさんは、「今日は警察学校の式典に来た。気温が35度もあって大変な一日になると思っていたが、素晴らしい知らせが届いた」と語った。(c)AFP