【6月15日 AFP】米バージニア(Virginia)州で14日、野球の慈善試合の練習中だった共和党議員らが銃撃を受けた事件で、警察に射殺された容疑者の男がドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に反感を持っていたことが明らかになった。負傷した議員は搬送先の病院で手術を受けたものの、重体と伝えられている

 銃撃は14日早朝、首都ワシントン(Washington D.C.)郊外に位置する同州アレクサンドリア(Alexandria)で発生。銃撃にはライフル銃が使われ、共和党のスティーブ・スカリス(Steve Scalise)下院議員、議会補佐官とロビイストが各1人と、議会警察の警官2人の計5人が負傷した。

 地元メディアは、警察との銃撃戦で死亡した容疑者の男の身元を、イリノイ(Illinois)州ベルビル(Belleville)在住のジェームズ・T・ホジキンソン(James T. Hodgkinson)容疑者(66)と報道。

 同容疑者は、昨年の大統領選挙で民主党の候補指名をヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏と争った無所属の左派上院議員、バーニー・サンダース(Bernie Sanders)氏の熱烈な支持者だった。サンダース氏は報道を受け、事件は「卑しい行為」であり、「嫌悪感を抱いている」と表明している。

 事件は、辛辣(しんらつ)な非難の応酬に明け暮れた2016年の大統領選挙後、ワシントンで政治的緊張が高まっている中で起こった。トランプ大統領は事件を受け国民に向けて演説し、団結を呼び掛けた。

 共和党下院ナンバー3のポストを務めるスカリス議員は臀部(でんぶ)を撃たれた。当初は安定した容体と伝えられていたが、搬送先の病院はその後、手術を受けたものの重体となっていると発表した。

 連邦捜査局(FBI)のティム・スレーター(Tim Slater)捜査官は記者団に対し、FBIはまだ事件を「あらゆる角度から調べている」と述べ、スカリス議員らが意図的に標的とされたのかを断定するには時期尚早だとした。

 ホジキンソン容疑者のフェイスブック(Facebook)ページによれば、同容疑者はサンダース議員の熱心な支持者だった。同容疑者はまた、トランプ大統領への強い反感を示す投稿をソーシャルメディア上で行っていた。(c)AFP