【6月20日 AFP】1年前に訪れたあの場所を、撮影で再び訪れたくなるのは必然だった。私は竹林が大好きだ。(中国のチャン・イーモウ監督の)『LOVERS(House of Flying Daggers)』のような映画の中にいるような気分になれるからだ。

 

(c)AFP/Johannes Eisele

 

 1年前、私は友人と一緒に、上海(Shanghai)から西に車を4時間ほど走らせ、臨安(Lin'an)郊外の竹林の中にある知る人ぞ知るクライミングスポットに出掛けた。私たちはツイていた。その日は週末だというのに他のクライマーが一人もおらず、貸し切り状態だった。竹林の中にひっそり…なんと魅力的だったことか。

 

(c)AFP/Johannes Eisele

 

 私は絶対にここに戻ってきてそこの写真を撮ると心に決めた。そんなこんなで今年、タケノコの収穫期が始まったと聞きつけると、カメラを手に再びそこを訪れたのだ。

 AFPの実習生、ウー・イウェイ(Wu Yiwei)と私は朝早く起き出し、臨安近くの村、太湖源(Taihuyuan)にあるタケノコ市場目指して一直線に車を走らせた。現地に着くと、収穫の様子を撮影するのにベストな時間と場所を把握するため、村人たちに聞き込みを行った。

 

(c)AFP/Johannes Eisele

(c)AFP/Johannes Eisele

 

 その結果、一歩遅かったと分かった。私たちは朝に到着していたのだが、収穫は日が昇る頃にほぼ終わっていた。その日は近くの村に車で移動し、タケノコの出荷工程の別の部分を取材することにした。収穫されたタケノコの一部は、活気にあふれた市場とは対照的にとても静かな、20キロほど離れた村で乾燥されていた。作業員らがタケノコを木製の受け皿に載せ、皿ごとかまどに入れて乾燥させていた。いったん乾燥させれば、タケノコはいつでも食べられる。

 タケノコはスープに入れるも良し、肉や野菜と蒸し焼きにするも良し、スナックとして食べるも良しで、中国の食卓の定番の品となっている。中国で流通するタケノコの最大3分の2が臨安産とみられている。つまり数か月にわたる収穫期の間、同地は休む暇もないほど忙しくなる。

 翌朝、とても早く、私たちは竹林に向かうタケノコ農家の人たちを見つけた。各自が先端が鋭くとがり、もう一端が持ちやすいよう曲げられた長い金属の棒を持っていた。これはタケノコを掘り出すのに使われる道具で、タケノコ採りには不可欠なものだ。この金属棒を土に挿すことでタケノコを根から切り離すのだ。私は写真や動画を撮りながら、収穫場所に向かうある農家の後をついて行った。このとき知ったのだが、家庭ごとに竹林内の収穫場所が割り当てられていた。私がついていった農家の収穫場所のすぐ隣には彼の先祖の墓があった。

 

(c)AFP/Johannes Eisele

 

 上海をたつ前、私は収穫の撮影は骨の折れる仕事になるかもしれないと考えていた。どのくらい近づけるかも、農家の人たちの人柄も分からなかったからだ。しかしそれも杞憂(きゆう)に終わり、実際やってみるとかなり楽しい仕事となった。

 

(c)AFP/Johannes Eisele

 

 ほとんどすべての農家がとても温かく迎えてくれ、いつも通りに仕事を進めてくれた。ある高齢女性にいたってはタケノコの切り方を教えてくれ、実際に掘らせてくれまでした。もちろん中には写真を撮られたくないという人やカメラの前で話したくないという人もいたが、大抵の人は温かく受け入れてくれた。

 収穫したタケノコを自転車の後ろに積んで市場に持ち込んだ農家の男性は、私に5キロ近くのタケノコをプレゼントしてくれた。

 

(c)AFP/Johannes Eisele

 

 自宅に帰ってからの数日間はタケノコ料理ざんまいだった。新鮮なタケノコはちゃんと料理すればとてもおいしい。(c)AFP/Johannes Eisele

このコラムは、上海に拠点を置くヨハネス・アイゼレ(Johannes Eisele)カメラマンがAFPパリ(Paris)本社のヤナ・ドゥルギ(Yana Dlugy)記者と共同執筆し、2017年5月16日に配信された英文記事を日本語に翻訳したものです。

 

(c)AFP/Johannes Eisele