【6月14日 AFP】(更新)米配車アプリ大手ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)のトラビス・カラニック(Travis Kalanick)最高経営責任者(CEO)は13日、無期限で休職することを明らかにした。

 カラニックCEOは従業員宛ての電子メールで、休職について「期間を設定するのは難しい。想定より短くなるかもしれないし、長くなるかもしれない」と説明。「私たちがウーバー2.0に取り組むのであれば、私もトラビス2.0に取り組んで、会社が必要とし、皆さんが持つに値するリーダーになる必要がある」と述べた。

 同社は同時に、大規模な組織改革案をまとめた13ページの文書を公開。社内で相次いでいるとされる不祥事や倫理違反行為について、エリック・ホルダー(Eric Holder)前司法長官が率いた調査結果に基づく取り組みを呼び掛けた。

 カラニック氏は、自身の母親が亡くなったばかりであることなどを休職の理由に挙げ、「日常業務から少し離れて、(母の死を)悼む」と同時に、「思索を深め、自分自身を高め、世界に通用する経営陣の構築に集中する」ことが必要だと説明している。

 一方改革案をまとめた文書では、「社の文化的価値観の定義に、より寛容で前向きな言動を反映させることが不可欠であるため、これらの定義を見直さなければならない」と指摘している。一連の提案は取締役会で承認された。

 同社に対しては、嫌がらせや差別に加え、競争相手を妨害し規制を擦り抜けるような行き過ぎた慣行があるという批判もあり、ホルダー氏の調査には、こういった企業風土の健全化を目指す狙いがあった。(c)AFP