【6月13日 AFP】ロシア各地で12日、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)政権の汚職に抗議するデモが行われ、野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏とその支持者ら1500人以上が当局により身柄を拘束された。直後に裁判にかけられたナワリヌイ氏はデモを主催した罪で有罪となり、30日間の拘留が言い渡された。

 ナワリヌイ氏の呼び掛けで大規模なデモが行われたのは、今年3月に続き2度目。来年の大統領選への出馬を表明している同氏は、インターネット上で積極的な働き掛けを展開し、若い世代を街頭デモへと駆り立てている。

 この日も多くの若年層を含む何千人もの市民が全国数十都市の街頭に出て無許可のデモを行い、「プーチンのいないロシアを!」とシュプレヒコールを上げた。

 活動家らの拘束状況を記録している非政府組織(NGO)の「OVDインフォ(OVD-Info)」によると、拘束された人の数は首都モスクワ(Moscow)で823人、サンクトペテルブルク(St. Petersburg)で推定600人に上った。同NGOは先に、ウラジオストク(Vladivostok)やカリーニングラード(Kaliningrad)、ノリリスク(Norilsk)、ソチ(Sochi)などの各都市で計100人以上が拘束されたと述べていた。

 モスクワでは機動隊がデモ隊を押し返そうとし、中には警棒で殴打された人もいた。ナワリヌイ氏は同市でのデモに向かっていた最中に警察に身柄を拘束され、当局のツイッター(Twitter)投稿によると30日間の拘留を言い渡された。

 米国のショーン・スパイサー(Sean Spicer)大統領報道官は、この一斉拘束を非難し、デモ参加者の即時釈放を要請。ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権がロシアの人権侵害を批判するのはまれだ。(c)AFP/Maria ANTONOVA and Anna MALPAS