【6月11日 AFPBB News】東京・築地市場に隣接する波除(なみよけ)稲荷神社(Namiyoke Inari Shrine)の伝統行事である夏越し大祭「つきじ獅子祭(Tsukiji Lion Head Festival)」が9日から開催されている。最終日の11日は、巨大な獅子の頭を担いで街中を練り歩く渡御(とぎょ)祭が行われ、沿道は多くの見物客で埋め尽くされた。

 同祭は、江戸時代初期の神社創建の折に、波風が鎮まり、海の埋め立て工事を無事に終えたことに驚いた町民が龍、虎、獅子の頭を奉納したことから始まったとされる。関東大震災で多くの獅子頭が消失したが、現在は雄雌の獅子頭が再興されている。

 3年ごとに行われる本祭を来年に控えた今年は、陰祭に当たり、重さ1トンある雄の厄除天井大獅子を町内ごとの氏子団体が担いで歩く巡行が行われた。雌のお歯黒獅子は、女性限定での宮出が行われたあと、台車で巡行に参加した。

 氏子代表が「築地の心意気を見せるとき」とあいさつすると、担ぎ手たちが威勢よく神社を出発。お歯黒獅子を担いだ文京区在住の持田有美(Arimi Mochida)さん(45)は、「物心ついたときから数えきれないほど担いできた。嫁いで地元を離れてもこれがあるから帰ってくる」と笑顔を見せた。(c)AFPBB News