【6月13日 CNS】中国最大手のネット決済システム「アリペイ(Alipay)」のパートナー、ドイツの決済サービスプロバイダーのコンカルディス(Concardis)社は8日、オーストリアとスイスの実在店舗にてサービスを開始すると発表した。

 中国最大の第三者決済サービスプラットホームのアリペイは、昨年のドイツの実在店舗に続いて、欧州ドイツ語圏のオーストリアとスイスの実在店舗に進出することになる。

 これにより、オーストリアの伝統的な服飾ブランド、ゲースル(Goessl)傘下の20店舗で、初めてアリペイのQRコード決済サービスが使用可能となる。スイスにおける業務計画は今年10月から全面的に展開する予定。

 2016年10月当初、アリペイとコンカルディスは高級ブランド、ヴェンペ(Wempe)のフランクフルト(Frankfurt)、ハンブルク(Hamburg)、ケルン(Cologne)などの店舗で、携帯決済サービスを開始し、現在では数百店舗で使用が可能となっている。ヴェンペ以外にも、トッズ(TOD’S)やティンバーランド(Timberland)などのブランドでもサービスを開始。また、ドイツ・ブンデスリーガの名門ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)もホームのジグナル・イドゥナ・パルク(Signal Iduna Park)や各記念品専売店で、観光客のためにアリペイ支払いサービスを導入した。

 コンカルディスは欧州有数の決済サービスプロバイダーで、現地では47万以上の決済端末を有している。

 統計によると、2015年には250万人の中国人観光客がドイツを訪れた。この数字は増加傾向にある。また、スイスとオーストリアも中国人の重要な海外旅行の目的地となりつつある。 

 アリペイによるドイツ語圏3大国(ドイツ、スイス、オーストリア)での業務拡張は、今後の欧州進出の第一歩に過ぎない。先日には、欧州の観光の中心地であるモナコとも戦略提携協議を締結した。(c)CNS/JCM/AFPBB News