■議会選は仏政界の潮目となるか?

 5月の仏大統領選で、社会党のブノワ・アモン(Benoit Hamon)元教育相は得票率6%と屈辱的な敗北を喫した。前与党の社会党が議会選での再度の敗北を恐れる根拠は十分すぎるほどある。

 エルコムリ氏以外にも15人ほどの社会党候補が「大統領派」の旗の下に選挙戦を戦っており、これにいら立つ党側は彼らを「日和見主義」だと批判している。

 一方、大統領になるまで公職選挙に一切出たことのなかったマクロン氏が、野心的な改革政策を実行するためには議会過半数の支持を得る必要がある。

 調査会社イプソス・ソプラ・ステリア(Ipsos Sopra Steria)が先週、有権者約1万5000人を対象に行った調査によると、11日の議会選第1回投票では、マクロン支持の候補者は31%を獲得する勢いで、共和党の22%を突き放している。また別の調査では、2回目の投票でマクロン支持候補者が圧倒的過半数を占めるとの予測も出ている。

 REMは、577の選挙区ほぼ全てで候補者を擁立している。元パイロットや女性闘牛士なども含まれており、その多くは政界外の人々だ。

「エリート陣営と労働者階級を対置させる旧来の左派的精神に置き換わるフランス政局の新たな二極化を我々は目にしている」と政治学者のジェローム・サンマリー(Jerome Sainte-Marie)氏は言う。「左右両翼の最もリベラルな候補たちが、行き詰っている改革の解をマクロン氏に見出している。このイデオロギーの一貫性にマクロン氏の強みがある」 (c)AFP/Daphné BENOIT