【6月7日 AFP】(訂正)北朝鮮の子どもたちは、全員が自動的に「朝鮮少年団(Korean Children's Union)」に入会する。その制服には他の共産主義諸国の「少年先鋒隊(Young Pioneers)」と同じ赤いスカーフが付けられている。

 この組織は、幼い時から北朝鮮の体制に対する忠誠を教え込む仕組みの一つだ。1946年に朝鮮少年団が発足した6月6日は「朝鮮少年団創立節(Korean Children's Union Day)」として公休日で、全国の学校で運動会が行われる。

首都平壌(Pyongyang)の平壌第四小学校の行事では、AK47(カラシニコフ自動小銃)の模擬銃を肩に背負った児童らが、模擬手りゅう弾を標的に投げ、枠の下をほふく前進し、柵を乗り越えた。

障害物競走を終えたミョン・ヒョンジョンさんは、得意科目は算数だが、大人になったら「尊敬する金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)最高指導者を軍事力で護衛するため」に軍隊に入りたいと述べ、「私たちは国を守るために備えなければなりません」と話した。ミョンさんは10歳の女の子だ。

担任のリ・スヨンさん(24)は、競争は「子どもたちが成長した時のために、わが国を防衛する精神を養い、さらに、尊敬する最高司令官の先軍革命指導を掲げつつ、あらゆる敵を打ち負かすために肉体的・精神的な準備をすること」が目的だと説明した。ここでの最高司令官とは、金労働党委員長のことだ。リさん自身も障害物競走に参加し、「わが国への侵入を企む者など、あらゆる敵を必ず倒すとの気持ちで手りゅう弾を投げた」と語った。

朝鮮戦争(1950~53年)は今もなお、国際法上は平和条約による戦争終結ではなく、休戦協定による停戦状態にある。

競技が終わると子どもらは、指導者を賛美する歌に合わせて組ダンスを踊った。

「偉大な金正恩元帥の温かい愛と思いやりを忘れてはいけません」と同校の校長は子どもらと見守る親たちに語った。「一生懸命勉強して、将来、偉大な大人になりなさい」 (c)AFP/Sebastien BERGER