■サウジ支持派

 英ロンドン(London)のシンクタンク「英王立国際問題研究所(チャタムハウス、Chatham House)」上級主任研究員のジェーン・キニンモント(Jane Kinninmont)氏は、今回の緊張が「カタールによる新たな行動」に起因していると明確に示されてはいないと指摘する。

 そして、サウジ、UAEの両国政府がトランプ政権とのつながりを強化するなか、今回のカタールとの断交は、これまで伺っていたチャンスに飛びついた恰好だとの見方を示した。

 スンニ派イスラム過激組織が複数の国々で攻撃を行う中、トランプ氏は先月、サウジの首都リヤド(Riyadh)で行った演説で、過激主義者やテロリストらを「排除」するよう湾岸諸国などのイスラム指導者らに対し呼び掛けた。

 この演説でトランプ氏は、イランを名指しして「宗派対立とテロ」を煽っていると述べ、サウジのこれまでの主張に同調してみせた。

 他方で、シンガポールのS・ラジャラトナム国際研究院(S. Rajaratnam School of International Studies)の中東地域アナリスト、ジェームズ・ドーシー(James Dorsey)氏も5日、「イラン問題の延長としてカタールを孤立化させるためのサウジとUAEによる取り組み」だと今回の動きについて指摘している。

 両国政府の目的についてドーシー氏は、非アラブ国に立場を明らかにするよう求めつつ、「反イランの立場をとらず、またイスラム過激派や武装集団との関係があることを理由にカタール政府を強く非難するようトランプ氏を説得することにある」と報告書に記している。(c)AFP/Ian Timberlake