【6月4日 AFP】今月10日に開催されるレーサーズ・グランプリ(Racers Grand Prix)で今季初戦に挑む陸上男子短距離のウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)が3日、今年4月に親友が事故死してから半月以上にわたり、練習ができない状態にあったと告白した。

 ジャマイカの国営テレビ局で放送されたインタビューの中で、ボルトは親友であるジャーメイン・メイソン(Germaine Mason、英国)の死後2週間以上にわたり、練習ができないほど精神的に落ち込んでいたことを明かした。

 2008年北京五輪で男子走り高跳びの銀メダリストに輝いたメイソンは4月20日、バイク事故により34歳の若さで死去。自身と同じジャマイカ出身のメイソンの死についてボルトは「2週間くらい練習ができなかった。トレーニングをする気になれなかったんだ」と語った。

 最終種目の100メートルに出場するレーサーズ・グランプリは、五輪で通算8個の金メダルを獲得してきたボルトにとって、母国ジャマイカで出場する現役最後の大会となる。

 現在調整を進めているボルトは「こうしたことは何年もやってきているわけだし、挫折はつきものだから問題ない」と大会には万全の形で臨めるだろうと自信をみせている。

「感動的なものになるだろう。自分も走ることが恋しくなるだろうし、ファンの人も私が走る姿を名残惜しく感じると確信している。間違いなく感動的になるだろうね」 (c)AFP