【6月2日 AFP】(更新、写真追加)フィリピンの首都マニラ(Manila)にあるカジノ施設「リゾーツ・ワールド・マニラ(Resorts World Manila)」で2日未明、アサルトライフルで武装した男が発砲した後、逃亡する事件が起きた。ロナルド・デラロサ(Ronald Dela Rosa)国家警察長官によると、撃たれた人や人質に取られた人がいるとの情報はない。同長官はその後、警察が容疑者の男を殺害したと発表した。

 ニノイ・アキノ国際空港(Ninoy Aquino International Airport)の主要ターミナルの一つから通りを挟んだ場所にある同施設では事件を受け、人々が叫び声をあげながら屋外に駆け出した。

 デラロサ長官は地元DZMMラジオに対し、「撃たれた人はいない(中略)逃げる途中で群衆に巻き込まれたり、煙を吸ったりした負傷者だけだ」と説明。事件がテロかどうかは分からないとしつつ、犯人が誰も撃たなかったことや、人質が取られたとの報告がないことを強調した。

 同長官によると、男は賭博室の一つで大型テレビに向かって発砲した後、賭博用テーブルにガソリンをまき、火をつけた。その後、チップが保管されている部屋に移動して再び発砲し、チップをリュックサックに詰めて逃走した。

 米テロ組織監視団体SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)によれば、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は事件発生直後に声明を出し、自組織の「ローンウルフ(一匹おおかみ)の兵士たち」が襲撃を実行したと主張した。

 だがデラロサ長官は「テロの特徴があるとは言えない」と言明。犯人がカジノのチップを盗もうとしたことを指摘し、ただの強盗未遂かもしれないと述べた。

 デラロサ長官は地元テレビ局GMAに、「彼(容疑者の男)は死んだ。われわれの部隊が殺害した」と明らかにした。(c)AFP