【6月1日 AFP】インディカー・シリーズに参戦するアンドレッティ・オートスポーツ(Andretti Auto Sport)の佐藤琢磨(Takuma Sato)は、日本人ドライバーとして初となるインディアナポリス500(Indianapolis 500)優勝という興奮に対する睡眠不足は、大したことのない犠牲だと語った。

 フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のドライバーとしては大成しなかった佐藤は、先月28日のレースでは過去3度のインディ500優勝経験を持つチーム・ペンスキー(Team Penske)のエリオ・カストロネベス(Helio Castroneves、ブラジル)を残り5周でかわして抑え込み、歴史にその名を刻んだ。

 同31日に米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のダラス・カウボーイズ(Dallas Cowboys)の練習施設を訪れた佐藤は、優勝後の生活は「せわしない」と明かした。

 その前日に佐藤は弾丸旅行でニューヨーク(New York)へ向かい、エンパイアステートビル(Empire State Building)やウォール街(Wall Street)、タイムズスクエア(Times Square)を訪れた。

「この72時間で人生は一転してます。毎晩3時間だけしか眠れてないです。メディアツアーを体験したり、いろいろな方々とお目にかかれるのはとても光栄なことで、特別な経験です」

 また佐藤は、カストロネベスに対する敬意を改めて述べ、「残り6周で彼と抜きつ抜かれつの戦いをしたのは最高の瞬間でした。ファンにとって最高の見せ場を作れたのであれば良いですね」と振り返った。

 一方で佐藤は、米紙デンバー・ポスト(Denver Post)の記者テリー・フレイ(Terry Frei)氏が、戦没者追悼記念日(メモリアルデー、Memorial Day)の週末に行われた同レースで日本人ドライバーが優勝したことに「不快感」を覚えたとツイッター(Twitter)に投稿したことについても触れた。

 フレイ氏はその後謝罪をしたが、米紙から解雇されている。

「残念なことだと思います。誰もが不適切だったと考えているという世間の反応にはもちろんとても感謝しています。とてもポジティブなしるしですし、それについて恨むような気持ちはありません」 (c)AFP