【5月31日 AFP】イタリア・セリエAのASローマ(AS Roma)は30日、ルチアーノ・スパレッティ(Luciano Spalletti)監督の退任を発表した。2日前に来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)本戦出場にチームを導いたばかりの指揮官は、会見で複雑な心境を述べている。

 2005年から2009年までローマを率いてイタリア杯(Italian Cup)で2度優勝し、イタリア・スーパーカップ(Italian Super Cup)も1度制したスパレッティ監督は、2016年1月に2度目のローマ指揮官の座に就いた。

 第2次政権でもスパレッティ監督はチームに一定の成功をもたらしたが、40歳のスーパースター、フランチェスコ・トッティ(Francesco Totti)とその圧倒的な数のファンの存在に頭を悩ませた。

 会見でスパレッティ監督は、トッティ引退にまつわる大騒動に巻き込まれることがなければチームはさらにいい成績を収めることができたと主張している。

 クラブ史上最多の勝ち点87を獲得し、優勝したユベントス(Juventus)に次ぐ2位でシーズンを終えたスパレッティ監督は、「チームをまとめるのが難しい期間がほとんどだった。全体的にもっとやれたはずだった」とコメントしている。

 今季のローマはイタリア杯(Italian Cup 2016-17)では準決勝で宿敵のラツィオ(SS Lazio)に敗れ、ヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2016-17)では決勝トーナメント2回戦でオリンピック・リヨン(Olympique Lyon)に2試合合計4-5で敗れたが、スパレッティ監督は「私は強いローマを残して出て行く。ほぼすべてでよくやったと思う」と話している。

 また、スパレッティ監督は自身のトッティに対する扱いは誤解を受けていると強調した。

 今季のホーム最終節で多くのローマファンからブーイングを受けたスパレッティ監督は、「私が彼の肩をたたいたのではない。私は彼がもう1年プレーすることを容認していた」と語っている。

「この件については投票を行って人々が考えていることを知るといい」

「一人の選手にすべてを注ぎ込むということは、他の選手をないがしろにしていることになる。私が他の選手をかばったからといって、それが彼を攻撃していることにはならない」

 イタリアのメディアはスパレッティ監督がインテル(Inter Milan)の監督に就任し、ローマの指揮官にはクラブOBでサッスオーロ(US Sassuolo)を率いるエウゼビオ・ディ・フランチェスコ(Eusebio Di Francesco)監督が招かれるのではないかと伝えている。(c)AFP